皆様、土地家屋調査士という国家資格をご存じでしょうか?
土地家屋調査士とは、不動産の登記簿(登記記録)の「表題部」の新設、変更・更正、閉鎖等の代理申請を行う土地建物の表示登記および境界の専門家です。
「登記できる建物と登記できない建物ってどう違うの?」という声は、相続の時はもちろんのこと、土地建物の売買時などによく聞かれます。
建物の新築の登記は「建物表題登記」(これは以前建物表示登記という名称でした)といいます、また増築や付属建物の新築、構造の変更、種類の変更などは「建物表題変更登記」といいます。不動産登記法では、建物の新築・増築・滅失等があった場合1ヶ月以内に登記申請をしないといけません。では登記しなければならない建物とはどんなものを指すのでしょうか。
登記しなければならない建物の状態とは、大きく言えば概ね以下の通りです。
〇土地に定着していて容易に移動できないこと。(定着性)
〇屋根および周壁などの外気を分断するものがある。(外気分断性)
簡単に言えば、「土地に固着し、屋根壁(天井高1.5m以上)があり、用途をもったある程度強固な建物は登記義務がある」ということです。また、車庫などは3方向にしか壁がなくても建物として登記出来ます。
ここで、少し具体例をご紹介いたしましょう。
相続登記の後で未登記建物が発見され、トラブルになる事がよくあります。
例えば、相続登記が全部終わった後に、銀行融資を受けることになり現地調査をうけた際、増築が発見され、増築の登記をしなければならなくなり、登記しようとしたが、他の相続人の協力が得られず、結果、融資が受けられないといったケースもあります。
トラブルを防ぐためには、以下の確認をぜひしておきましょう。
○固定資産税評価証明や名寄帳を確認し、未登記建物がないか登記建物と照合する。
○上記を確認した上で、現地に増築がないか、未登記付属建物がないか等を確認する。
そして、上記を行った上で、親にそのような建物がないか確認しておかれる事をお勧めいたします。
何か気にかかることがあれば、お近くの土地家屋調査士に、お尋ねください。