不動産の所有権移転登記を法務局へ申請する際の登録免許税(国税)や、不動産の購入に伴う不動産取得税(県税)の税額は、固定資産評価額(以下「評価額」という)に税率を乗じて計算します。
評価額は、不動産の所在地を管轄する市区町村の固定資産税課(税務課)が管理している固定資産課税台帳に記載されていますので、固定資産評価証明書を取得することにより知ることができ、登記手続きに利用できます。
固定資産公課証明書も評価額の記載があるものがほとんどですが、稀に、課税標準金額等の記載のみで、評価額でわからないこともありますので、評価額の調査のためには、評価証明書がおお勧めです。
また、評価額は、固定資産税課(税務課)から毎年、年度当初に所有者宛に送られてくる固定資産納税通知書の綴りの中にも記載されていますので、該当頁をコピーして活用することもできます。
登記申請をご自身で法務局に申請する際は、上記評価証明書等(福岡管内は写し可)を準備しなければいけませんが、登記手続きを司法書士に依頼すると、評価証明書を省略することができる場合があります。
法務局(福岡管内)には、当該法務局が管轄する不動産について、市区町村から提供された評価台帳が備え付けられていますので、司法書士は、登記の依頼を受けた不動産に限り、評価台帳を閲覧し、法務局担当官と評価額を読み合わせすることにより、登記手続きの専用の評価額の証明書を取得することができます。
法務局の評価台帳は、数年前まで、福岡県内のほぼすべての市区町村のものが備え置かれていましたが、近年、評価額を電子データにて管轄法務局へ提供し、評価台帳の備え置きを廃止する市区町村が増えてきました。
平成31年4月の時点では、福岡県内の下記8市町が電子データ化し、管轄法務局には評価台帳はありませんので、前述の司法書士による評価額の調査はできなくなりました。
今後も、評価台帳の備え置きは、減少していく傾向にありますので、不動産の売買、相続等の登記手続きの際には、評価証明書等の事前準備をお願いいたします。
【平成31.4.1現在:評価台帳の備え置きを廃止した市町】
福岡法務局 筑紫支局管内 「太宰府市」
福岡法務局 田川支局管内 「田川市」「福智町」
福岡法務局 粕屋出張所管内 「篠栗町」
福岡法務局 行橋支局管内 「築上町」「みやこ町」
福岡法務局 福間出張所管内 「福津市」
福岡法務局 久留米支局管内 「大刀洗町」
【令和1.8.1より評価台帳の備え置きを廃止する予定の市町】
福岡法務局 飯塚支局管内 「嘉麻市」
福岡法務局 粕屋出張所管内 「粕屋町」