■Q■
お隣さんから、土地を売買するため土地の境界立会に協力して欲しいと頼まれました。
立会に協力することにしましたが、こちらのメリットはあるのでしょうか?
■A■
前回の投稿では、お隣さんからの境界立会の依頼は協力した方がよいと書きました。通常、境界立会を行うと確認した点に境界標式(コンクリート杭、金属プレート、金属鋲等)が設置されます。この”境界標式がある”ということが非常に大切です。境界標式が存在することによるメリットは様々考えられます。
□メリット□
・境界の管理が容易になる。
境界標式があるとブロック塀やフェンスなど境界線付近に構造物を設置しようとした場合、一目で境界が分かり、工事業者への指示がしやすくなります。逆に境界標式がないと思い込みで指示を出してしまうこともあり、後にトラブルに繋がるケースも考えられます。財産の管理は自己管理が原則です。
・越境による財産の侵害防止になる。
境界標式がないと、隣が境界を間違えることにより(もしくは故意に)越境して構造物を築造する可能性があります。もしそうなった場合、一回築造されたブロック塀などを「間違えていたから作り替えてください」と申し出ても簡単に応じてくれないのが現状です。逆にこちらが間違えて築造してしまうこともあります。その場合、お隣さんから突然「境界を間違えてブロック塀をついているから、直ちに是正してください」と申し入れを受ける可能性もあります。
・境界立会はお互い様なので、こちらが必要になった場合協力してもらい易い
こちらの土地を売却したり、分筆登記をする必要が生じた場合、お隣さんの境界立会・確認が原則必要となります。もし、こちらがお隣の境界立会を拒絶した過去があった場合、お隣さんはその事実はずっと覚えており、感情的に立会に応じてくれない可能性が高くなります。こちらが協力していれば、相手も同様に協力してくれるものです。
・こちらが測量することになった場合その境界標式が役に立つ
こちらが測量を行う必要が生じたとき、現地に何点かでも境界標式が存在していると、多少測量費が安くなる場合があります。また、スムーズに処理をする手助けになります。
・境界紛争を未然に防ぐ基礎となる
境界標式がないことによるトラブルは多種多様です。通常お隣さんとのお付き合いは長きに渡ります。枝が出てきたとか、屋根の雨水が入ってきたなど些細な事からお隣さんとのいざこざが始まります。境界をしっかり管理することは「お隣さんとのより良いお付き合いの基礎」となると思います。
境界線の事で気になることがあれば、些細な事でもお近くに土地家屋調査士にご相談ください。